☆痒い皮フ治したい!!
原因:1つではなくいくつかの原因が併発している事がある。
原因
①膿皮症(細菌感染)
②マラセチア性皮フ炎
③ニキビダニ症
④疥癬
⑤皮フ糸状菌症
⑥食事性アレルギー
⑦犬アトピー性皮フ炎
⑧ノミアレルギー性皮フ炎
まず今回は膿皮症について説明します。
①膿皮症とは?
・ブドウ球菌という細菌が皮表や毛穴に感染する病気です。
・ブドウ球菌は皮膚の常在菌です(通常は悪さをしない菌)。
◎治療を行う際には高温多湿、犬アトピー性皮フ炎、ホルモル分泌の異常、過剰なスキンケアなど、
ブドウ球菌が皮フに感染しやすくなった要因が何なのかを探索する必要があります。
・他の犬にうつることはありません。
表在性膿皮症・毛包炎
(クリックで拡大表示します)
深在性膿皮症
(クリックで拡大表示します)
[症状]
フケ、かさぶたを伴った脱毛や赤み、丘疹(ブツブツ)。
結節(大きな盛り上がり)、痒みなど。
[検査]
○皮フ表層の細胞診(皮フの最外層の細胞を採取し、炎症細胞や病原体の存在を顕微鏡で観察する。)
○細菌培養検査と薬剤感受性試験
皮フの細菌感染(膿皮症)は第1世代セファロスポリンおよびアモキシシリン・クラブラン酸配合剤に感受性を示すブドウ球菌が原因であることが多い。
単純な表在性膿皮症の場合は、これらの抗菌剤を用いた経験的治療を行うことができる。
しかし、別の病原体の関与や薬剤耐性が疑われる場合は、細菌培養検査と薬剤感受性試験によってもっと効果が高い抗菌薬を選択することが重要である。
○細菌培養検査と薬剤感受性試験はいつ行う?
・生死にかかわる感染症
・深在性膿皮症
・細胞診で桿菌が確認された場合
・効果を示すはずの治療に反応しない表在性膿皮症
・広域スペクトル抗菌薬または免疫抑制薬の使用後に薬剤耐性が疑われた場合、または免疫不全疾患の犬や猫
・創傷治癒不全
・術後感染または院内感染
・飼い主または動物が感染者に感触したことがある場合
[治療方法]
・大事なのはブドウ球菌が感染した背景を検討することです。
・治療期間の目安:1~2か月
◎抗生剤
→ブドウ球菌の殺菌に効果的な抗生剤を投与します。
表在性および深在性の膿皮症では通常、最低でもそれぞれ3~4週間および6~8週間の投与が必要である。
(症状が良くなったように見えても、最後まで投薬を続けましょう。)
【内服薬(毎日内服)と注射投与(単回の注射投与で作用が14日間持続する抗菌薬もある。)がある】
コンベニア注なら1回の注射で14日間効果が持続!
◎薬用シャンプー(シャンプー療法)
薬用シャンプーを使った療法は、皮膚病の治療にもっとも効果的で有用な方法の1つです。
シャンプーには、痂疲や鱗屑、滲出物を除去し、皮膚の保湿と修復を行い、皮膚や被毛に蓄積した物質を洗い流すという重要な役割があります。
シャンプーは、ほぼすべての皮膚疾患において皮膚の状態を改善し、疾患の治癒を促進することができます。
健康な犬を洗う頻度はどれくらいにするべき?
一般的に定期的なシャンプーが必要と思われてきたが、かならずしも定期的なシャンプーが必要なわけではありません。
おもな必要条件は、治療中の疾患に適していて、信頼できる会社が製造するシャンプーを用いることです。
シャンプー療法のスケジュール
■1週目:1日おき
■2週目:週2回
■3週目以降:週1回
(その後、経過にあわせ、週1回とするか、必要に応じて変更する)。
アレルギー性疾患では週1回のシャンプー療法が推奨されます。
シャンプーのコツ
■シャンプーは濃縮されているものが多いため、希釈してから使うこと。
■10~15分間は、シャンプーと皮膚との接触を維持する。
■よく洗い流す。
■痒みや炎症が認められる場合は、最後に冷水で洗い流してもよい(体が小さい動物では低体温症にならないよう気を付ける)。
■短毛種の犬では、毛の流れに逆らってマッサージを行わないこと。
■シャンプーの前後にスポットオンタイプの駆虫薬を使用しないこと。
■シャンプー中は耳道洗浄剤をかならず併用し、耳の中に湿気が残らないようにすること。